『孫子の兵法』第五篇「勢篇」

『孫子の兵法』第五篇「勢篇」

第23回【勢篇(3)】“勢”の総括――奇正を操り、攻守を一瞬で転換する

これまでの勢篇(1)・(2)で、孫子が説く“勢”とは何か、その基本概念や具体的運用例(奇正の使い分け、リズムの取り方)を学んできました。今回【勢篇(3)】は、勢篇全体のまとめとして、形篇で作り上げた“守り”を基盤にどう“勢”を重ね、最小限のコストで最大効果の攻撃を成し遂げるのかを再確認します。加えて、次回以降に登場する「虚実篇」へと繋がる視点も示唆し、孫子兵法が立体的に展開される様子をイメージできるようにします。
『孫子の兵法』第五篇「勢篇」

第22回【勢篇(2)】奇正とリズム――“勢”を最大化する攻守の切り替え

勢篇では、“形”が土台となった上で、攻撃を決定づけるエネルギーの集中やタイミング(節)をどのように作り出すかが論じられます。前回は勢篇の冒頭で「勢は形によって立ち、形が整えば勢は自然に生じる」と学びました。今回【勢篇(2)】は、その続きとして、実際に奇と正をどう使い分け、どのようにリズムを作れば最小限の力で大きな破壊力を発揮できるのか――勢篇後半の記述を読みながら理解を深めます。
『孫子の兵法』第五篇「勢篇」

第21回【勢篇(1)】“勢”とは何か――エネルギー集中の概念

形篇が強調する「不敗の態勢」を先に作るアプローチに対し、勢篇は、いかに“勢”を生かして勝利を決定づけるかを論じる章です。孫子兵法のなかでも、勢篇は「奇と正(きとせい)」や「勢いの加速度」という概念を通じて、攻守の切り替えや兵力集中の妙を示します。