『孫子の兵法』第九篇「行軍篇」

『孫子の兵法』第九篇「行軍篇」

第33回【行軍篇(1)】行軍の基本と戦場偵察

行軍篇は、『孫子』が提示する兵法のなかでも“行軍中の注意点”を扱う実務色の強い章です。ここでは、部隊が移動する際の偵察や地形選択、そして民衆との関係など、多角的な観点が示されます。軍争篇ですでに「先手を取るための行動」「要衝の確保」などを学びましたが、行軍篇ではさらに詳細な手法として展開される形になります。本稿【行軍篇(1)】では、行軍篇の冒頭を省略なしで紹介し、まずは行軍の基本と戦場偵察の意義を見ていきましょう。