
「第一の矢・第二の矢」の教え
「第一の矢・第二の矢」の教えは、パーリ語経典の『サンユッタ・ニカーヤ』(相応部)第36相応第6経に登場する「サッラッタ(サッラ)経(Sallatha Sutta、別名『矢の経』)」に由来します。この経典でブッダ(釈尊)は、苦痛に対する弟子と凡夫(仏法を知らない一般人)の違いを説く中で、一つ目の矢と二つ目の矢のたとえを用いています。漢訳では『雑阿含経』巻17第470経「箭経」としても伝わっており、初期仏教の教えとして両伝統に残っています(大乗仏典そのものではなく、根本仏教の経典に位置づけられます)。