『孫子の兵法』第十篇「地形篇」

第38回【地形篇(3)】六禍と三利――地形 × 指揮 × 士気の総合管理

六つの地形には六つの災い(六禍)が伴う。これは天災ではなく、将軍の過ちである。
『孫子の兵法』第十篇「地形篇」

第37回【地形篇(2)】六地形×奇正――状況別ベストプラクティス

子は勢篇で「正合、奇勝(正で相合し、奇で勝つ)」と説きました。正 = 正面布陣・定石奇 = 側撃・夜襲・偽装・陽動地形篇ではこの鉄則を 「どの地形で正を取り、どこで奇を差し込むか」 へ具体化します。
『孫子の兵法』第十篇「地形篇」

第36回【地形篇(1)】六地形――通・挂・支・隘・険・遠

第10篇「地形篇」 は、『孫子』のなかでもっとも“地図と現場”に近い章です。ここでは軍勢が遭遇する代表的な地形を六類型に分け、それぞれで 攻め・守り・退き をどう選ぶかを示します。行軍篇で準備を整えた指揮官が、“実際に足を踏み入れた土地でどう布陣するか” を判断するためのチェックリストと言えるでしょう。
『孫子の兵法』第九篇「行軍篇」

第35回【行軍篇(3)】総括――地形篇へのブリッジ

第35回【行軍篇(3)】総括――地形篇へのブリッジ
『孫子の兵法』第九篇「行軍篇」

第34回【行軍篇(2)】遭遇戦と安全確保――行軍の具体ノウハウ

はじめに行軍篇は、『孫子』のなかでも実際の移動と野営、補給に密着した章として位置づけられます。形・勢・虚実・軍争で学んだ理論を、どのように行軍という“動き”のなかで活かすか――そこに行軍篇の狙いがあります。前回は“先に偵察し、敵情や地形を把...
『孫子の兵法』第九篇「行軍篇」

第33回【行軍篇(1)】行軍の基本と戦場偵察

行軍篇は、『孫子』が提示する兵法のなかでも“行軍中の注意点”を扱う実務色の強い章です。ここでは、部隊が移動する際の偵察や地形選択、そして民衆との関係など、多角的な観点が示されます。軍争篇ですでに「先手を取るための行動」「要衝の確保」などを学びましたが、行軍篇ではさらに詳細な手法として展開される形になります。本稿【行軍篇(1)】では、行軍篇の冒頭を省略なしで紹介し、まずは行軍の基本と戦場偵察の意義を見ていきましょう。
『孫子の兵法』第八篇「九変篇」

第32回【九変篇(3)】九変の総括――臨機応変の重要性

九変篇は、『孫子』における臨機応変の重要性を扱う章であり、これまで学んできた形篇(不敗の態勢づくり)や勢篇(攻勢の集中力)、虚実篇(相手を誘導する戦略)などの知識を、実際の変化する戦場や地形に合わせて、柔軟に活かすための要諦を示します。本稿【九変篇(3)】は、九変篇全体を総括し、次なる行軍篇・地形篇へと理解をつなげる最終回です。
『孫子の兵法』第八篇「九変篇」

第31回【九変篇(2)】誤った頑固さの危険性――柔軟な方針転換

九変篇では、地形・情勢が複雑に変化する戦場で、将軍がいかに適切な判断を下すかを論じます。前回【九変篇(1)】は、地形の多様性(通・挂・支・隘・険・遠)や、将軍が地形を知らなければ勝ちきれないことなどを確認しました。本稿【九変篇(2)】は、その続きとして、さらに「将軍の頑固さ」や「方針転換の機会を逃す」危険を具体的に示す九変篇の要旨を掘り下げます。
『孫子の兵法』第八篇「九変篇」

第30回【九変篇(1)】多様な戦局と変化への対応

九変篇は、『孫子』全13篇の中でも、地形や戦局の多彩な変化にどう対応するかという視点を強調する章です。ここまで学んできた計篇・形篇・勢篇・虚実篇・軍争篇のエッセンスを踏まえつつ、状況に合わせて柔軟に作戦や指揮を変える必要性を説くのが九変篇の特色となります。短期決戦の志向や、敵を誘導して虚を突く考え方は変わりませんが、より複雑で移ろいやすい戦場をイメージしながら、将軍が陥りがちな失敗例や、その対処策にまで踏み込みます。
『孫子の兵法』第七篇「軍争篇」

第29回【軍争篇(3)】軍争篇の総括――先手を制し、行軍と補給を支配する

軍争篇は、『孫子』の第7篇でありながら、行軍や補給線、先手必勝に関する実務的な知見が詰まった章です。計篇~勢篇・虚実篇までの諸概念(戦略的準備、不敗の態勢、攻撃の勢、敵の誘導)を、実際の移動と地形の観点で応用する形になっています。前回【軍争篇(2)】では、「先に要衝を押さえる」「危険なルートは避ける」など、より具体的な行軍法を学びました。本稿【軍争篇(3)】では、軍争篇全体をまとめ直し、次章「九変(きゅうへん)篇」へとつなげます。