2025-08

『孫子の兵法』第十三篇「用間篇」

第47回【用間篇(2)】反間を要にする――厚賞・保護・偽情報の統合運用(原文・後半:省略なし)

連載 第47回【用間篇(2)】反間を要にする――厚賞・保護・偽情報の統合運用 の原稿です。前回(第46回)は、先知(事前情報)と五間(鄉・內・反・死・生)を概観しました。今回は 用間篇の後半を省略なしで掲出し、とりわけ反間(はんかん)を核に五間を連動させる方法を読み解きます。
『孫子の兵法』第十三篇「用間篇」

第46回【用間篇(1)】先知と五間――情報は“人”からしか来ない

十万の軍勢を動かして千里の遠征をすれば、1日に千金の費用がかかり、内外は騒がしく、道路は滞り、仕事につけなくなる者は七十万戸にも及ぶ。何年もにらみ合い、たった一日の勝敗を争うというのに、わずか百金の賞を惜しみ、敵情を知らないのは、最も不仁である。そういう者は将の器ではなく、主君の補佐でもなく、勝利をもたらす主でもない。
『孫子の兵法』第十二篇「火攻篇」

第45回【火攻篇】火と速度――資源を断つ最短路

火攻には五つの対象がある。人(兵)・積(物資の山積)・輜(輸送車列)・庫(倉庫・弾薬庫)・隊(隊伍) である。火を使うには理由(因)が要り、器材や準備(素具)を平素から整えておく。点火によい季節(乾燥)とよい日がある。月が〈箕・壁・翼・軫〉にある頃は風が出やすい。
『孫子の兵法』第十一篇「九地篇」

第44回【九地篇(5)】九地篇総括――形・勢・虚実・軍争・地形・九地を束ねる

九地篇の価値「同じ地形でも、味方・敵・補給線の深度が変われば心理が激変する」という視点を与えてくれます。市場・組織・国家のいずれでも “空間 × 人間” の二層分析が欠かせません。
『孫子の兵法』第九篇「行軍篇」

第43回【九地篇(4)】死地――背水の陣で“生”を掴む

死地 とは、もう退く場所がなく、生き残るにはただ戦うしかない土地である。